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春を探して2013/01/28


春を探しに出ました。アニマルキングダムまでバスを使い、中の平へ向かいます。アニマルキングダムの開園は9時半で、その10分前の到着。月曜日とあって未だ客の姿はありません。ここまで来ればゴルフ場の入り口までの上り坂を我慢するだけで、殆ど苦労なく鼻歌気分で歩けます。

アニマルキングダム送迎車


入口を過ぎ平坦なところに来て息をついていると、頭上に小さな黒い実を付けた木が何本か並んでいるのに気付きました。ワレモコウの花穂を黒く固めたような実で、細野高原の遊歩道を歩いていると、小枝ごと地面に落ちているのをよく見かけます。足でこすってつぶすと、コンクリートが黒く汚れます。この木何の木? 春を探しに来たのに、葉をすっかり落とし青空に黒々と映えたこの実の風情は、春未だ遠し、を思わせます。


緩やかな坂を下ってゆくと、芝枯れのゴルフ場越しに細野高原が見えました。そして更にその先の坂上から万二郎と馬の背の雄姿が現れました。山肌に白い雪を残しているのが見えます。今年はいつ頃登れるだろうか?



第8号鉄塔まで下りてきたら、その反対の左側では樹木伐採の工事が始まっていました。立て看板によると、「森林整備加速化・林業再生事業 間伐等業務委託」とあり、施工が伊豆森林組合で発注者が東伊豆町長と書かれています。どうやら、間伐等のための道路を先ず造成しているようです。


間伐しただけでその材が転がったままになっている山を、あちこちで見てきた当方には頷ける処置だとは思います。森林を育てるにはどうしたらよいか、町として森林をどう位置付けるかは門外漢の当方には容易に答えを見つけられませんが、既にある道をうまく活用するなりしてなるべく傷つける部分を少なくして欲しいと願わずにはいられません。
 


更に進むと、待望のユーカリの木が現れました。こんなにも背が高く、強風に苛まれることもあったでしょうに、よくぞ健気に耐え抜いていることか。ここはこの道を通る最大の楽しみのひとつです。


ユーカリの木を過ぎてロークチにやってまいりました。きょうは久し振りに池に下りてみます。池に近づいたら突然4羽のカモが声を荒げて水面から飛び立ちました。白田の公園から引っ越ししてきたというカルガモは健在でした。池は10時を過ぎて未だ薄氷を残していました。この辺は結構冷えるのですね。


ところで、この池にはゴルフ場の少なくとも2か所から排管によって水が流れ込んでいて、その水の流れのあふれ出た跡が茶色の筋となって池へ続いています。ゴルフ場の排水によるものなのか、あるいはロウクチという字名が生まれた何らかの理由によるものなのか気になるところです。この池の水は平波を経て水滴(みずたる)に流れ込み、そこで山田川(大川)を併せて稲取港に注いでいるのです。飲料水には特に関係ないようですが。



ロウクチのヘアピンカーブを曲がると、菖蒲沢をまたいだ先に竹林が続きます。やがて十字路に出て、シイの木の古木をまた見たくなりました。恐いほどに森閑とした雰囲気のなか少し坂を下って対面です。やはり豪壮な感じで枝を伸ばしていました。幹は途中で朽ちてもこの枝ぶりは実に見事です。


十字路に戻って中の平に向います。ビニールハウスの脇を流れる沢が山田川に続くことを再確認したあと、入谷天城線に出ました。振り返ると、春を待つ田圃とベティさんの森、そして貯水池の土手、おお、その上に万二郎、馬の背、万三郎が頭を出しているではありませんか!


薄暗い入谷道では道幅などを測量していました。すれ違いが難しい狭いこの道路を拡張する計画でもあるのでしょうか? 去年の細野高原のイベントでネックとなった課題を道路拡張で対処するつもりなのでしょうか? 


あのイベントで細野高原を訪れる観光客は確かに増えたが、殆どが日帰りUターンで地元に経済効果はあまりなかったという声が少なからず聞かれました。果たして道路を広げることで事態は好転するのか、考えどころです。
 


さて、赤松神社まで下りてくると、ようやく海原を見渡せる場所に来ました。ここで暫く景観を楽しんだ後、更に一望閣へと下り、中川の畑を通過して今朝の長い散歩も終わりを迎えます。春はどこかにあったはずですが、きょうの陽気がもう春を物語っていたということでしょうか。