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”むじな田の湯”見つけた! ― 2016/01/22
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入谷に“むじな田”という温泉の源泉があると言う話しを聞いて、去年から吉久保の谷を探しまわっていましたが、本日ついにそれを探し当てることに成功しました。実は、吉久保のミカン畑で作業中のMさんからご教示を得てたどり着いた成果だったのです。
既にヤグラは撤去されている、と聞いておりました。探し当てたのはコンクリートの1畳ほどの小屋でした。小屋の中には揚水するための動力ポンプがセットされ、外部への配管に繋がっていました。
Mさんによると、この“温泉”はいわゆる温泉ではなく、ぬるま湯なので沸かして温泉としたものだそうです。“湯田の湯”を始めとして、入谷ではすべて微温湯です。しかし、この“むじな田”の湯を観光ホテル(現在は廃業)まで引いたそうですから、稲取が正式に、つまり堂々と温泉観光地として名乗りを上げるまで、太田温泉などと並んで一定の歴史的役割を負った意味は大きいと思われます。
Mさんが教えてくれたのは、農電の電柱の行く先を追えば源泉にたどり着くということでした。そしてそれは川沿いにあるということです。早速、谷へ下りてみました。
先ずは農電の電柱を追います。
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これが最後の電柱です。このヤブの右側にけものみちのような形状が認められたので、このしゃしんの右側から下りてみました。
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その電柱の下に来ると、ケーブルが垂れ下がり、その先を懸命に目をこらします。
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ヤブを分けて更にその先へ進んでゆくと・・・。何と、小屋の影が眼前に現れたではありませんか!下の写真の中央左右に影が映っていますね。
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ここで左手に道が付いていたので、一旦、外に出ました。川、すなわち稲取大川の縁です。
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この場所は外から見える太い導管から水がほとばしり落ちる所だったのです。
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小屋がはっきりと姿を現しました。戸が開いています。
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中を覗いてみました。
河津の天嶺山で見たような動力です。
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このポンプで引揚げた温水は下の写真のやや右中央(白丸)にあるタンクに送られます。
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この水槽タンクから落差を利用して浜地区へと送水されました。これは農業用水の水槽ではなかったのでした。
ところで、この“むじな田の湯”を掘ったのは都造園だったそうです。この会社の主は四国出身で、稲取小学校の上に造園会社を建て手広く業務を遂行したらしい。町の事業に入札する資格があったほど実績を重ねた、とMさんは言います。
そんなわけで、造園だけでなく石積みの仕事なども請け負い、Mさんらも小遣い稼ぎに彼の仕事を手伝ったことがあるとのことでした。大川から築城石を清水公園に運んだのも彼等だったのです。しかし、「都造園」は15,6年前に稲取から姿を消しました。
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