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ニューサマーオレンジ2020/06/29

伊豆のミカンは今やニューサマーオレンジが主力になっているようですが、このミカンにしても、これまでに数々の品種が誕生したお話のひとつをミカン農家のOさんから聞くことが出来ました。

もとはと言えば、日向の国で夏ミカンの木から突然変異でニューサマーオレンジが誕生したことから始まります。酸っぱさはもとより、甘さも凝縮した若い人に受けそうな味わいが魅力だったようです。

そこで農協ではこの品種の改良が幾度となく繰り返され、例えば、青っぽいニューサマーから、赤っぽい品種がより一層魅力的なはずだと奨励されて農家はそれに従ったところ、裏目に出た話が残っているということです。

温州ミカンや青島ミカンなどは、その地味な味わいが昔から人気を保っている理由でしょうが、おかげでミカン農家は今や7種類も8種類もミカン畑を管理せざるを得ないと、Oさんは云います。ただ、それによって、例えば収穫の時期がある程度ずれて続いてゆくことなど利点はあるのでしょうが。

少し小高い所からざっとミカン畑を見渡すと、緑一色の中にアマナツミカンの木が少し目につきます。夏ミカンにしては未だ成長途上の大きさに見えます。しかし、意外なことを耳にしました。この木を残しておくと、ニューサマーオレンジの受粉が促進される、というのです。

「親の夏ミカンは自家受粉出来るのに、その子であるニューサマーが自家受粉出来ない」と、だいぶ前にOさんから聞いたことがあります。それなのに、この話です。自然界は不思議なものに映りますが、科学的な根拠はどこかに潜んでいるのでしょうね。