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石積みの里2022/03/02

1時間半くらいの散歩で、ある程度筋肉を酷使したい、となると、やはり坂道をせっせと登って速足で下ることを考えます。今朝の坂道は”よしくぼ道”を選びました。途中、”稲取アルプス”からの景観を充分満喫した後、入谷道を下ります。

入谷道のこの辺は美しい石積みの風景がつづきます。とある石垣に老婆の姿がありました。石積みの下に少しばかりの引き抜かれた雑草が並んでいます。坂道の上の方から作業を始めたようで、上の方から一列につづいています。石積みの間隙に生えた雑草を丁寧に除草しているのでした。

お婆さんの話では、この立派な石積みはお屋敷の周りの土地を畑にするため掘り起こしたときに、出てきた石を集めて石積みにしたものなのだそうです。こんなにも大きな石が屋敷の庭に埋まっていたなんて驚きました。

石積みの全体は特にラインが僅かな曲線を描いて美しく仕上がっています。この石積みの作業は親戚や知り合いだけで成し遂げたというのですから、凄い、お見事!中に一人ベテランの人がいたそうですが。お婆さんが覚えているのは、ヨイトマケみたいな三脚を使ってロープを引っ張り、一つ一つ石を積んでいったと言います。当時はユンボのような機械は無かったのでしょう。農閑期の2~3カ月をこの仕事に当て、丸3年かかって出来上がったとのこと。当時は牛馬による移動手段から自動車に代わって間がない頃だったそうです。それにしても、人が集まれば凄いことを成し遂げるものですね。

ついでに数十年この方、石積みが崩れた(この土地の方は”ふくれた”と云います)ことはなかったそうです。