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交通安全運動の視点2014/07/15

朝7時半頃、国道を稲高の坂へ向かって上がって行ったら、道の両側に幟旗を持った人たちがズラーっと並び、何やら歓迎してくれているようで一瞬身構えました。その幟をよく見ると、「お年寄り見たら減速、最徐行」「交通安全運動実施中」と書かれています。

 

どうやら稲高の生徒さん、先生、そして警察の方たちが通行中の車両にデモンストレーションしているところらしい。8時まで活動するということでした。どうせなら、国道に架かる陸橋の下に横断幕を掲げたら、ドライバーにとってもっと分りやすかったのではないかと思いましたが、それはともかく、ドライバー教育という点では立派な活動だと思います。

 

最近はメディアで報道されているように、罪のない歩行者が痛ましい犠牲になっている事件や交通事故が多過ぎます。やれ、脱法ハーブだ、飲酒運転だと言うように、ドライバーの責任は重大です。こういった報道に接するたびに無念にして命を落とされた人たちのことを考えると、怪我をした人たちも含めて、断腸の思い去り遣らずといった感があります。

 

交通安全運動と言えば、特に高齢者の事故が多いことから、高齢者を集めての講習会とかいうように、高齢者への啓発がやかましく言われてきました。歩行者対ドライバーの関係で言えば、ドライバーよりは歩行者の方に事故回避の啓発運動の重点が置かれてきたように思われてなりません。

 

しかし、歩行者が交通事故に巻き込まれる事件はこういう視点からでは決して後を絶つことはないだろうと私は思ってきました。車は一瞬にして凶器にも変わるのです。その車を運転する人たちを啓発しないで、どうして事故を減らすことができるでしょうか?

 

今、世の中は車社会です。取り締まる側でさえ車優先の生活習慣にどっぷりと浸かっています。そんな車優先の目線からでは、この問題は絶対に解決しないでしょう。道路を歩くという、或いは歩かねばならないという生活を知らない人たちにこそ、事故を無くす啓発が為されるべきなのです。

 

これを要するに、幟旗にある「お年寄り見たら減速、最徐行」という標識こそ、ドライバーに対する啓発という意味で、交通安全運動にとって一番大切な標語の一つだということです。こういう視点からの今回の運動を高く評価したいと思うのです。