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”たるがね”2010/10/06

線路の補修工事


今朝は水下の半僧坊を首尾よく探し当てることが出来、気分良く坂下川沿いの道を下って行きました。志津摩遊歩道の手前では5,6人の線路工夫がレール敷きを補強しています。黄金色の田圃は未だ稲刈りしていません。ドーンと言う大砲はきょうはお休みのようです。

 
“オフネイシ”の近くに三脚を立てているカメラマンがいます。お不動さまにお参りするついでに声をかけると、稲取駅からのトンネルを抜け出てくる電車を待っているとのこと。「海がうまく入らないんですよ」とぼやいています。なるほど、トンネルから海に突き進んでくるような効果をねらっているらしい。

いっそのこと、オフネイシの上にでも乗ればと思いましたが、飛び石伝いに渡れるわけではありません。それはとにかく、悩んでいる彼を措いて私のほうは磯伝いに洞穴の先を行ってみることにしました。

第二踏切の先のトンネルのあたりはその昔に堤防があったと思われ、ある人によれば、長年に渡って波風を受けて堤防は自然に崩壊してしまったとのこと。築城石の搬出用に造られた堤防ですから、仮の簡単なものだったのかも知れません。

鉄骨の残骸

そのあたりには鉄骨やコンクリートの残骸がむき出しになっていましたが、鉄筋の建物か何か、磯にあったのでしょうか?その先を更に回り込むと、山際は電柱が点々とつづいていることから、トンネルを抜け出たと想像出来ました。

“たるがね”と思われる海岸が少し近づいてきて、未知の世界に脚を踏み込んだ気分になったところで、散歩にしては時間を食いすぎたのに気付き、きょうのところは引き上げることにしました。

”たるがね”


帰途、“とうさん払い”で赤網を修理している漁師さんから、きょうの不漁だった話を聞いてから、乾かしてあった“もくず”をショイビクに集めて帰るオジサンと並んで歩きました。

「“たるがね”で釣り人が二人死んでるだよ。3,4年前に“ギンスイ”に泊まって」

「昔の話じゃないんですか?」

「宿で止めたのにきかなかったんだ。あの辺はサバだのアジだのが良く釣れたけど、風が出ると危ないところだ」

「オフネ石の先まで行ってみたけど、“たるがね”までは行けそうもなかったなあ」

「ロープが張ってあるから行けるよ」

とまあ、こんな調子で、面白い話を聞きました。これは放っておく手はありません。いつかそこまでトライしてみなければ。またまた・・・。

とうさんのはれーば




半僧坊2010/10/07

半僧坊


丹沢に仏果山という747メートルの低山があります。かつて丹沢の山に通いつめたころ、何度か登ったことがあります。下山後に人工の湖、宮が瀬湖を見学するのも楽しみの一つでした。

ところで、その仏果山の入山口の半僧坊前というバス停で降りると、そこに勝楽寺という立派なお寺がありました。田代半僧坊という名でも知られています。一度参詣したとき巨大な山門に驚いた記憶があります。

半僧坊とは僧侶でもなく俗人でもないという意味で、その人が衆生を救済し一切の苦行を救うべく修行を重ね、奥山半僧坊大権現として信仰を集めたということです。そして、この信仰は火難を防ぎ、商売繁盛を願うところにあるんだそうです。

この稲取にも“半僧坊”があると知ったのはつい最近、金指徹さんの「風土記入谷の里」を読んだ時です。そこでこれに書いてあった場所を訪れてみました。

そうしたら、何と、いつも通り過ぎていた上平塚にあったのです。最初はお堂かもしれないと思ったのが、そのうちに物置かもしれないと独断して、その後、気にも留めないでいました。

今回、ちょうど野良仕事にお出かけの様子のご主人に了解をもらって扉を開けたところ、高さ15センチくらいのご本尊が祠に安置されていました。銅像のようで、長さ10センチくらいの錫を持っています。

こうして常に開帳され、見学ができると親しみがわいてきます。火難除けと商売繁盛をあらためてお祈りしたいと思います。




70代に突入2010/10/10


私、本日をもってついに70代に突入しました。いわゆる古稀。ウイキペディアによれば、杜甫の「人生七十古来稀なり」からとった言葉だそうです。今ではそれほど稀ではありませんが、それでも70回もよく年を重ねたな、という心境です。

伊豆に来て何よりも楽しみだったのは70歳になることでした。伊豆急の電車賃が半額になるからです。こちらへ来た当初は毎日のように伊豆急の電車で、やれ下田へ、やれ伊東へと出かけたものです。

稲取から伊東まで片道1150円、往復で2300円。それが1150円で往復できるのです!今年1月に一足先にシルバーとなった女房殿は、隣の駅160円が80円になったと喜んで、毎回証明書を出して寿キップを手にしてます。

残念なのはバス代が半額にならないことです。これが同じ待遇になったら、もっともっと視野が広がることでしょうに。伊豆をとことん歩いてみるにはバスが欠かせませんものね。東海バスさん、何とかならないですかね。

もっとも、最近はマイカーが行き渡っているせいで、昔からあったバス路線が廃止になったり、本数が極端に減ったりしています。まあ、いつも乗る人も少なくガラガラのバスだと仕方ないかも知れませんね。

でも、そんなバスがいつも大型バスというのが納得出来ません。特定の時間帯は例えば、学校の生徒さんで一杯になるときは大型バスでいいとして、ガラガラと分かっている時間があるのだから、その場合はマイクロバスにするとかしたら、いかがなものか。ガラガラのバスがいつも通るのを見ると、油を道路にぶんまいて走っているように思えて仕方ないのです。

変なところに八つ当たりしたようですが、とにかく70代はパラダイスエイジだと心得て楽しむもよし、もう一旗揚げようと頑張るもよし、無駄な抵抗はやめて静かに余生を送るもよし、ただ、線香花火にだけはなりたくないと願うや切です。



港の工事2010/10/12

展望テラスの拡張工事


文化公園から海岸へ真っ直ぐ下りてきたところに展望テラスがあって、大島、利島、新島とつづく島並みや航行する船を眺めているホテル宿泊者などの姿がよく見られます。ベンチも置いてあるので、私たちもここでお弁当を開いたものです。

この展望テラスの拡張工事が今盛んに行われています。テラス自体が広くなるのでしょうか、どんな形になるか期待したいところです。ここから池尻海岸への遊歩道も改修されるといいですね。

何しろ、荒波が押し寄せると、この遊歩道についてはコンクリート敷きも簡単に壊されてしまいます。現在、コンクリートの表面が剥がされてしまった箇所はだいぶあります。大きな石や丸太が押し寄せるのですから、どうしようもありません。

一方、稲取港でも船揚場の改修工事が行われています。こちらのほうは古くからあって、今は使われなくなった船揚場を使い勝手よく改修するもののようです。

また、そこから、今は閉鎖されたままの子供用プールにかけて道路の拡張工事も予定されていると聞きます。大型観光バスが余裕をもって通れる道路は観光地としては必須の条件です。今後、港がどう変わってゆくか楽しみです。

船揚場の改修工事




ハリセンボン2010/10/15


イセエビ


“とーさんのはれーば”は今日も賑やかでした。泊り客がイセエビを囲んでわあわあ、きゃあきゃあ言っています。オバサンたちが殆どです。
 

「漁は今日でおしめいだよ。あしたから月が出てくるからな」
 どうやら、月夜の晩は漁がうまく行かないらしい。

水揚げはイセエビのほかにモクズガニ、カレイ、ボラなどに混じって、直径20センチくらいのボールの表面にたくさんの針をつけたものがいました。ハリセンボンです。白いオナカを出して膨らんでいたのが、引っくり返してみると、急に空気が抜けたように萎んでカレイみたいになりました。

漁師のオジサンは、こんなものは邪魔だから捨てるんだと言います。それじゃあ、かわいそうだから逃がしてやろうよ。このままじゃ死んじゃうから、と言う声が上がりました。でも、ハリでケガするといけないので、結局、観光客のおせっかいはこれまで。このあとハリセンボンの運命がどうなったかはわかりません。

ハリセンボン