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刺し網 ― 2010/11/09
ウエットスーツを着た人が東の波止場に座り込んで海面を見ています。その目線を追った先で水しぶきが上がりました。潜っている人がいる!
「俺はもうあそこに張って、先に上がってきたんだ」
指差すほうには生簀の近くに浮きダマが二つ見えます。水しぶきが上がったところにも二つあります。網を張っているところでした。
「イセエビだよ。普通なら夕方仕掛けるところを、あったかいうちにやってるんだ」
ゴムのスーツに触らせてもらうと、かなりの厚さがあります。これで身を守っているわけです。
「あれはまだ2年にしかならないから、もたもたしてるよ」
網の上に石を載せて流れないようにしているらしい。
ここで使う網は船で流して張る網と違って少し丈が短いのだそうです。水深が浅いので当然です。
「二日も寝かせて獲れるのはせいぜい3キロだね」
それにしても、こんな近くでイセエビが獲れるとは知りませんでした。このあたりの磯ではカニのヒッコクリができるから、エビが獲れてもおかしくないか。
今日は風が強く、船は殆ど出てません。釣り船が沿岸を徘徊している程度です。
「タルの水がこぼれない西風だから、この中はホラ、白波が立ってないだろ。波がないから網が張れるだよ。沖では出来ないからね」
風がある日は市場はひっそりとしています。
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