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秋ですねえ2020/09/05

昼間は未だ残暑が続いているというのに、夕方になるとチョッピリ涼しい風が出てきて救われます。もっとも、日が短くなりましたが。
きょうは久しぶりに「ひらなみ」HWを歩きました。ただし、稲取高校からふれあいの森第2駐車場~展望台経由でクリーンCTR~入谷のルートはこのところ、まったく歩いていない設定です。下りでは同ルートを歩いていますが、上りと下りでは大変な違いです。

展望台に上がると、周りの草丈が伸びて、夕方でもあり、ああ、もう秋だなあという感じになるわけです。そしてクリーンCTRから入谷へ向かいます。知り合いのご夫婦の犬連れ散歩に出逢って暫く雑談を交わし、壬生の庄の脇を過ぎて「ひらなみ」の工事現場を通過します。新しくできた橋に立派な標識版が埋め込まれました。


そこから大洞峠に来て、これまた立派なススキです。順光で撮った写真より逆光でのほうがススキが生きていました。その後、入谷の谷あいの静かなたたずまいを味わってから、山神社前へ遠回りして木割場の石碑群におじゃまし、自販機のコーヒーを頂き至福の時を過ごしたのでした。




入谷の火事2020/09/09


              9月5日の午後のふれあいの森から
先週土曜日(5日)夕方、ふれあいの森からクリーンCTR経由でひらなみHWを歩き、例によって木割場の石仏群の台座をお借りして一息ついていました。お隣の自販機で購入した缶コーヒーが何よりも楽しみ。目の前の入谷道は入谷のメイン通り。ときどき車がゆきかいます。何時の間にかオバサンが月桂樹だかモチノキだかの垣根に手を入れているのに気が付きました。黒のワンピース?に眼鏡をかけた小太りの75,6の方とお見受けしました。 

いつもはカーテンを閉めたままの無人の家かなと思っていた私は思わず、「この家の方ですか?」と声を掛けたら、こちらを振り向いて「そうです」との返事です。更に「いつもこの仏様の台座をお借りしてお邪魔してます。スミマセン」と言うと、「そんなことはありません、みなさんそうしてますよ」と優しい言葉を頂きました。そして、ただそれだけでお別れしました。時刻は6時少し前だったと思います。

その後、長坂を下って中川の畑から国道に出、「さくら介護」の前を通り過ぎた辺りで、消防車がサイレンを鳴らして通り過ぎてゆきました。間もなく帰宅した頃、もう一台の消防車も後を追ったようです。

それから8時ごろになってPCに向い、いつものようにメールをチェックしたところ、「東伊豆町稲取志田の店付近で建物火災発生」の町からの情報配信メールが入っていました。一瞬聞いたことがある店名だなと思った私はすぐに入谷のJA倉庫前の自販機の店だと気が付いたのです。発生時刻は18時07分。

ほんの先ほどまでお邪魔していた場所の前のお宅ではありませんか!帰宅したのがうろ覚えですが18時10分頃。オバサンとお別れしたのは多分、17時50分頃と思われます。とすると、わずか17分後には火災発生ということです。配信メールには「志田の店付近」と書かれていました。とすると、他の近所の家の可能性がある、という思いもあって、この件が次第に私の脳裏から消えてゆき、いつしか自分の仕事に取りかかっていました。

翌日曜日は一日雨で外出できず、月曜日の朝、伊豆新聞を広げて何げなく見出しを一つずつ拾っていったら、東伊豆町入谷の火事の記事に目が留まりました。火事になったお宅の一人暮らしの方が病院に収容された後に死亡が確認されたという。そこで、気になった私は夕方に散歩の足を入谷に向けました。ところが、東田の上からバラバラと落ちて来た雨がたちまちスゴイ豪雨となって、さすがに雨に濡れるも一興と嘯いていた私も中川の畑まで来て引き返したのでした。そして次の火曜日は歯医者を往復しただけで終わり、きのう水曜日にようやく入谷に上がることが出来ました。

現場に来ると、案じたようにまさにあのお宅でした。外観はところどころに穴が空き、特に玄関側の1階部分の中が透けて見えています。建物が丸ごと焼けた状態ではありませんでした。しかし、あの初めて言葉を交わしたオバサンが亡くなられた!信じられない気持ちで、そのまま玄関前に立ち尽くしたのでした。こんなことがあるのか?

そのうちに近所の若い女性の声がして、同時にJA倉庫前の車からやはり若い女性が出てきました。二人は何やら言葉を交わしたあと、近所の女性が車の女性を紹介してくれました。亡くなられた方の娘さんということでした。そこで私が火事発生直前にご母堂と言葉を交わした経緯を話すと、娘さんは、母に最期の話を交わしてくれた方にお会い出来て感謝の気持ちでいっぱいです、との言葉をいただきました。

その言葉を聞いて、漠然と考えていたある感情が明確になったように思えたのです。ある人の人生が幕を閉じる土壇場になって私が彼女の前に登場した事実の重大な意味を悟った瞬間でした。

出火原因は新旧の住宅を繋げた部分の、1階にあるブレーカーの漏電だったそうです。何と不条理な! 合掌。




              


ひえい風2020/09/10



HMB荘のブンさんから電話が来た。
「ひえい風」という言葉、わかるかな?聞いたことがあるかな?」
彼は時々とんでもない話をいきなり持ってくる。それがちっとも嫌味でなく考えさせるものだから、当方としては有難い。勉強にもなるというものだ。

「落語の長屋の話じゃないけどね、昔の家は家並みは揃っていても軒と軒との間は適当に距離があったもので、夏にはその間から涼しい風(ひえい風)が入って来る。そこに縁台と団扇が登場して物語が生まれてくるわけさ」

つまり、ひえい風とは冷たい風、冷風のことだと言う。それも、夏の暑い時にふさわしい言葉だと。例によって見当違いの批判を懼れず言うならば、冷たい風は「ひゃっこい風」、そのひゃっこい,或いは「ひやい」が訛って「ひえい」になったのではないか。或いは、「冷えっぽい」風、即ち比較的冷たい風が話し言葉として短く「ひえい」に訛ったのでは?ちなみに「ひえい風」で検索しても該当するようなサイトは見つからなかった。


ツチアケビのその後22020/09/13



7月31日に見てきたツチアケビは今回、ほんのわずか太った姿を見せてくれました。ずっと続いた酷暑の中、ずいぶんがんばった感じです。一本の幹に上からひと房4個、4個、3個と生っていたのも全く変わりませんでした。今年もどうやら、このソーセージ?を食べる動物、生物はいないようです。

秋も深まってくると、沿道の草刈りが始まるのでしょうが、今年もこのソーセージは優しい人の手で幹ごとそっと刈りとられ、横に寝かされていることでしょう。そんな姿をまた見てみたいものです。




中の平2020/09/14

昨日はアニマルキングダムを15時29分にスタート、中の平に着いたのが16時15分、従って所要46分でした。今までで一番早く、新記録を打ち立てました。その間、ゴルフ場の緑のメタセコイアを、そして菖蒲沢のツチアケビをも撮影してきたのです。

急ぎ足になったのには理由があります。日中ずっと青空に入道雲だったのが、アニキンでバスを降りた時には薄曇り、しかも西の空には暗雲が漂い始めていました。先日のようにまた突然バラバラと来て、土砂降りにでもなったら目も当てられない。そんなわけで自然と足早になってしまったのでした。

それにしても、こん回は3人の方からお話を聞くチャンスに恵まれました。お三方に感謝したいと思います。先ずは中の平でYUさん。彼は3,4年前にカーネーションで大賞を受賞した気鋭の園芸農家です。ハウスが並ぶ奥の方で路地に止めた車の荷台に座って、当方が近づいてくるのをジッと見つめていました。

「おかしな空模様なので、さてどうするか決めかねていたんでね」どうやら、空模様がどう変わるか暫く様子を見ていたらしい。ここ「中の平」は盆地のような形状で、周囲の深い樹林帯が田畑を包み込むような恰好です。そこで素人考えから、風が吹いても大したことはないのでは?と言葉を返すと、実はこの場所は複雑な風が舞うことがあると言います。大げさに言えば竜巻のような状態になることがあるそうなのです。ハウスは風に弱い。

中の平はもともと湿地帯だったようです。さもありなん、ガマがこの「中の平」の所々の休閑地に鬱蒼と茂っています。しかし、ガマが穂を付けた風景は決して悪くない。駐車した車の奥に稲穂が頭を垂れているのが見えました。今回の目的のもう一つは順調に育った稲穂を見ることでした。彼は傍らのブッシュの中のエノコログサ(ねこじゃらし)を指さして、秋の彼岸にこいつや稲穂をナスなどと一緒に仏壇に供えたと言います。彼はねこじゃらしを馬のシッポと呼んでいました。

この傍らの森には弁天さんが祀られています。水の豊富なこの辺一帯を永遠に守るべく、つまり、大自然の恩恵に感謝する意味をこめて立てられたものと思われます。YUさんの様々な話を聞くにつけて、「中の平」に生活の根拠を求める人たちの大自然への畏敬の念が今の農家の方々に脈々と受け継がれているような気がしてきました。