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オカに上がったカッパ2011/08/03

陸揚げされた漁船
「今の若いもんは根性がねえよ」港は殆どの船が係留されています。陸揚げされている船も一パイや二ハイではありません。伴七じいさんのきつい言葉がつづきます。

「ワシらの頃は一度イカをやって上がってきたら、またすぐ出て行ってサバをやったもんだ。それが漁師ってものよ」最近の船は一か月何時間の漁をしているでしょうか?出て行っても僅かの時間で帰ってきてしまっています。これで商売になるのでしょうか?

獲れねえからしょうがねえだろ、と言う人もいます。あちこち漁場を追っても油の無駄遣いだ、というわけです。

「最近はどうも汐の流れがおかしいんだ。地球温暖化とかいって、海水の温度が上がっているからよ。こりゃあ、なんとかしなけりゃなんねえな」

先日、稲取港にイワシの大群が入り込んできたそうですが、サバやマグロが追い込んだからだと言います。そういう汐の流れが大事なわけです。

「こんな状態じゃあ、食っていけるわけねえから、きのきいた子なら都会へ出てゆくさ」しかし、この夏祭りには若い衆の活躍が祭りを盛り上げていたように見受けます。重い神輿の“これじゃどうだ”のもみ合いに肩を入れようとする年配者の姿も少なくはありませんでした。無論、すぐに他の人と交代してましたが、この意気込みが若い人たちに伝わらないはずはありません。

「大手の仲買人がいなくなったからな」私はこの港の市場で“セリ”の声を聞いたことがありません。伴七じいさんの云う“なんとかする”手だては見つかるのでしょうか。