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NHKの民放化を憂える2013/06/06

コエビソウ


一昨日のサッカー、対オーストラリア戦は辛くもPKにて同点に追いつき、引き分けに持ち込みました。これにて日本は来年のワールドカップ出場権を得ることになり、誠にご同慶の至りです。
 


このサッカー試合をテレビで観戦した方々は相当の数にのぼったことと思われます。聞けば、NHKと民放一社が放送したそうであります。私もNHKで観戦いたしました。
 


ところが、暫く視聴していたところ、忘れていた画面のフラッシュ技法を思い出しました。だいぶ前にNHKが放送したサッカー試合で多用された画面のフラッシュテクニックです。たとえば、ゴールキックなどを仕掛けたあとに、ある文字を画面に瞬間的に叩き付けるのです。週刊誌的テクニックですね。それはあたかもフラッシュ撮影のように観る人の脳裏に強烈に忍び込んで来ます。
 


あのフラッシュテクニックは、いつぞや問題になった視聴者の深層心理に傷を負わせる類のものとよく似ています。そして観る人の気持ちを煽ります。つまり、「ここで興奮しなさい。ここが興奮するポイントだ!」と言っているようなものです。“一億総白痴化”技術はここに至って極まれり、の感があります。
 


執拗にこれでもかと追い打ちを掛けられて私はいい加減気分が悪くなり、早々にテレビの前から離れたのでした。
 


スポーツを観戦する楽しさは、試合の展開を自分の目で見て成り行きに思いを巡らすところにあります。静かに観戦するも良し、興奮しながら観るも良し。しかし、それはあくまでも観戦する個人の判断なのです。映像を提供する側にその判断を委ねているわけでは決してないのです。
 


以前にもこのブログに書きました“小窓”のテクニックも同類です。画面に小さなウインドーを追加して、ゲストなどの表情を盗み取るいやらしい技法です。映像を送る側はサービスのつもりなのでしょうが、品性を疑いますね。それどころか、観る者にとって邪魔で仕方ない。「昼ブラ」の番組に至っては現場と小窓との間でうまく繋がらない会話をさせて、視聴者をシラケさせています。
 


折角の進んだIT技術をもっと有効に活用する頭がないのか、と言いたくもなります。民放の場合はそれなりの理由はつくかも知れませんが、NHKの場合は私たち視聴者から契約料をとっているのです。視聴者をバカにした、低俗で害があると思われるテクニックに私たちはお金を払っているのでは断じてないことを宣言します。