<><><><><><><><><><><><><><><><><><>
伊豆33観音巡り2の1 ― 2014/08/02
.
蓮台寺駅でバス待ちをしている間に気が付いたのがネムノキの花。全体には控えめだが、近づいてみると、まるで美女が睫毛を誇らしげにした、或いはうっとりと夢見ている風情だ。このあと松崎街道のそこかしこでバスの車窓から見ることになる。
バスが松崎の中心街に近づく頃、三余荘ユースホステル前で下車する。ここで西法寺の御朱印が頂ける。ここは松崎三聖人の一人、土屋三余が三余塾を開いた所だそうで、立派な門構えである。中に入ると、すぐ右手の2階建てがユースホステルなのだろう。正面にお屋敷があり、中庭の庭園とつり合いがとれていた。
土屋家の老齢のご当主から御朱印を頂き、西法寺の戸が開いていることを確認。少し東へ戻った小路から巡礼を始める。途中、仲神社に参拝。掘割の沢の両側には民家が点在し、静かな村内に入った趣きである。所々に案内標柱が立っているので迷わずに3番札所西法寺に到着できた。
山門の右前に立つ六地蔵に挨拶して境内に入る。お堂は雨戸が少し開いて内側の障子戸が閉まっていたが、開けて中へ。正面奥の板間に回り込んで、先ずは阿弥陀三尊像と脇侍の二天立像を確認したが、暗くてよく分からなかった。
お坊さんが座る席の後ろに立って手を併せ、覚えたての般若心経を納経。ただし、半分も暗誦しないうちに言葉が出て来なくなった。夕べ復唱を繰り返して何とか暗誦できたのに、にわか仕込みでは現場でうまくゆかないものだ。やはり、経本が必要だ。
かくして3番札所を辞し、バス道路に出て松崎の中心街へ向かう。道路沿いには青々とした田圃が広がって気持ちが良い。或る区画ではオバサンが“完全武装”で水田の中の雑草を引き抜くのに余念がない。またその先では道路上から何かを投げつけている姿が見えた。
.
近寄ると、水田の中のアイガモにエサを与えているのだった。未だ子どものような小さなアイガモが餌につられて一斉に移動している。20匹くらいはいるようだ。エサを与えている子連れの若い女性の話しでは、この水田は向かいの桜田温泉・山芳園の田圃とのこと。ナマコ壁が美しい旅館だ。自由に見学してください、と云われた。
エサは麦を押しつぶしたものだと言うので、麦ごはんに入れるオオムギだと思われる。アイガモは自家の水田用に購入したものだそうだ。言うまでもなく雑草や害虫駆除に役立たせているわけだが、だいたい2か月ほど働いてもらい、シーズンが終われば食肉に供される運命だと言う。
さて、先を急ぐ。次は第4番円通寺の御朱印をあらかじめ頂くため、禅海寺へと向かう。途中農家の方に道を訊き、松崎高校に寄ることにした。知人から頼まれた写真を撮るためである。裏門から入り、随所から何枚か写真を撮った。正門から出て振り返ると、左右の男女の白い彫像が迎えてくれていた。尚、左の門柱には「静岡県立東部特別支援学校松崎分校」、右は「静岡県立松崎高等学校」と書かれていた。(つづく)
.
最近のコメント