伊豆稲取便り

今月の１２日は成人の日でした。女房殿はその日、新しいコーラス仲間がその成人の前で歌を披露するというので、昼食後、会場の役場まで出向いていきました。ところがしばらくして、会場には誰もいない、と電話で言ってきました。レッスンをまだ２回しか受けてない手前、一緒に出られないけど、せめて聞きには行くとみんなに約束をしていたのに、どうしよう困った、というわけです。

結局、前日の１１日に行われたと分かって、しょぼしょぼ引き上げてきました。気持ちよく仲間に入れてもらうには最初が肝心だというのに、何とした不覚！

それでも、その晩、そのことはケロリと忘れたかのように、こう言ったのです。
「きょうは何の日か知ってる？」
あらためてそう言われて、私は初めて気がつきました。そうだった、カミさんの誕生日だった！

１月１２日は今年の成人の日ということと、去年習志野を出てからちょうど２ヶ月になるという、ふたつの事実が私の頭をいっぱいにしていたのです。

翌日、私はかねてからの一日ハイキングに一人で出かけました。
自宅前からバスに乗って片瀬白田で下車、そこから白田川に沿って延々３時間歩き、天城ハイランド（別荘地）の先の「シラヌタの池と大杉」を見て、戻ってきました。合計５時間半歩いて、さすがに疲れました。

帰りのバス待ちの間に、駅の近くの薬局に花が店頭に置いてあったので、これ幸いと一本買いました。きのうの穴埋めがこれで出来ると、内心ホッとしながらバス停に近寄ると、先に待っていた太ったオバチャンのダミ声が飛んできました。
「そのカーネーションはいやに赤いじゃないか？造花だね？」
なぬ？！よくよく見ると、確かに造花ではありませんか！　なんとした不覚。いくらしたのか？と聞くから、８５円で買ったと言いましたら、またまた咆えられました。
「本物が８５円で買えるわけないじゃないか」
そんなものですか、トホホ・・・。メガネのせいだ、もう取り替えなきゃいけないんだ・・・。

翌日、気が付くと、造花のカーネーションは居間の片隅の置き物の上にキチンと寝かせてありました。