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大峰山末端の尾根をたどる2013/11/27


山神社からの農免道路は今や秋たけなわ。紅黄葉の前景は勿論、橙色のミカンです。山は陽を受けて燃えるほどではありませんが、少なくとも輝いて見えます。そして海をも望むことができます。
 


画家は好みの場所に三脚を立て、キャンバスに絵の具を塗りたくって飽きることはないでしょう。写真家もまた景色を切り取ることに夢中になる場所です。道路の真ん中に陣取っても、時に遠慮がちに通行してゆく車を見るのみ。
 


この道路の見高との境に知人が購入して、たった一人で整備した山の一部があります。そこにコンクリート舗装された細い道があり、それをたどると小さな沢沿いにミカン畑の跡地が続いているのを、いつぞや歩いて知っていました。
 


しかも、舗装が途絶えた地点に「下田線17号に至る」と書かれた黄色の標柱が立っていて、送電線の巡視路があることを思わせました。今朝はその宿題を果たすべくやって参りました。

 


舗装は谷間の真ん中で終わり、その先は掘割り状の道が北へ真っすぐ続いています。ただし、倒竹が大分あって煩わしそうです。しかし、黄色の標柱は西を指しているので、取りあえずこれに従って登ることにしました。
 


ところで、今回の目的は農免道路から山に入り、牛馬慰霊碑が立っている道に出ることと、その道で分断された大峰山の末端の山に上がること。そこには送電線の鉄塔があり、先日、山焼きされた防火帯に上がって振り返り、その鉄塔へいつかはと期していた山でもありました。
 


さて、巡視路は明瞭な道で藪に悩まされることなく間もなく16号鉄塔に到着しました。17号ではなかったので不思議に思いましたが、鉄塔の反対側に回ったら、細い道が南西方向に下っており、これを辿れば見つけられるのでしょうか。
 


でも、今回は北へ尾根を上がらねばなりません。引き返して黄色の標柱地点から小さな沢を渡り、沢の左岸を追ってゆきました。暫くゆくと、ドラム缶が置いてある場所で道は無くなり、それではと、尾根を目指して登り始めました。
 


山腹には土留めの石垣がところどころにあって、この鬱蒼とした山の中までミカン畑だったような雰囲気です。もとより大峰山の末端の部分ですから、15分くらい急斜面を喘いだだけで、予想外のコンクリート舗装道路に出ました。軽四輪車が一台留まっていました。

 


15
号鉄塔はその先僅かな所に確認。舗装道路を追ってゆくと、道は二股に分かれ、右はかなり先でストップ。引き返して左の道を行くと左右に走っている道に出、そこで三人連れの土地の人に出合いました。彼らは山芋を掘りに来たと言ってガケをよじ登って姿を消しました。
 


この道を下って行くと、ついに鉄塔が見えてきて例の山焼きされた防火帯から見下ろした小山へそのまま導かれたのでした。鉄塔には14号の札が懸っていました。これにて今回の目的は一応達成したことになります。農免道路から約一時間の小さな冒険でした。

 


このあとは牛馬慰霊碑の前で頭を垂れ、鼻歌交じりで下山したのであります。