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伊豆33観音巡り3の22014/09/19

宝蔵院 観音堂と開山堂
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宝蔵院の入り口は即ち「21世紀の森」の入り口である。森の中は、鍛錬の森、健康の森、きのこの森、歴史の森、野鳥の森、瞑想の森、などの各ゾーンがあり、一部を除いて遊歩道が整備されている。

 

先ずは富貴野山稲荷を覗いて手を併せたあと、その先の石段を上がる。石段を上り詰めてハッとした。写真でお馴染みではあったが、いきなり石仏が中央に2列、左右に1列ずつ並び、その数180体余りという。

 

そして、更に石段を上って観音堂の前に立った。本堂は向って右側に四角くロープが張られ、その礎石が残っているのみ。とにもかくにも手を併せて般若心経を声明する。ここにきて初めて諳んじたお経を声明できたのは嬉しい。

 

観音堂の左には開山堂が並んで建っている。開創の弘法大師像が納まっているそうだが、こちらも戸は開かない。やはり、般若心経を声高に声明す。

 

その昔、この寺が栄えた頃は露店が並び、芝居も行われたそうである。そうした盛衰を超えて今はただ幽玄の境地にあるようだ。聞こえてくるのは野鳥のさえずりのみ。

 

開山堂の左手に立つ弘法杉は根元から2本に分かれて高さ30m、周囲6.5mの大杉。根元に宝篋印塔が2基安置されていた。この左脇から遊歩道が続いていたので、休むことなく、そのままこの道を追ってみた。

 

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香の並木、シュロの道、小石の道、落葉の道と続いて、瞑想の館から林間広場を左回りに行くと、道は荒れて通行不能。残念だが、少し戻ってそれでも一回り出来たことで満足。また観音堂まで上がり、開山堂の前のベンチで中食休憩とした。

 

開山堂の左脇の径を上ってゆくと歴代和尚の墓があり、そのままこの径を行けば長九郎山へ向かうことが出来る。最近ではこの富貴野山に車を置いて、長九郎を往復する登山客が多いそうである。

 

さて、帰りは門野経由で船田に向う。殆どが下りなのでのんびりとゆく。1時間足らずで門野の集落に着いた。あらかじめ役場に問い合わせて訊いておいた通り、公民館の隣の奥まった家でご朱印をもらう。

<林道 白川富貴野線の終点が門野の集落> 

60歳前後と思えるここのご婦人はこの地の生まれで、長じて都会に仕事を見つけ、結婚して戻ってきた。彼女の子どもの頃は富貴野山への道は山道であった。それでも、富貴野山のお祭りがあると、松崎の小学校から帰ってくるや、そのままお山へ直行したそうである。大きな楽しみだったという。

 

門野地区の林道の法面に、工事が昭和63年12月に竣工した鉄板が埋め込まれていた。多分、その前後に富貴野山に通じる白川富貴野線が完成したのだろう。車が通れるまでは集落の人たちの苦労は相当なものだったに違いない。

 

門野を過ぎると、船田へはそう遠くない。般若心経を何回か諳んじながら川沿いの道を下る。途中、ちょっとした滝が見物できたが、コンクリートの堰堤が草木の奥に垣間見えた。少し残念な気がしたが治山治水の上での工事なら仕方ない。

 

本日二つ目の札所、帰一寺に着いたのは15時だった。未だ歩く余力が残っていたのは嬉しい。