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”ゆ”さん、農林大臣賞受賞2015/02/15

今年の関東・東海の花の品評会では、“ゆ”の山田巧さん(53)がーネーションの部で最優秀賞(農林水産大臣賞)に輝きました。彼には去年、道端でお会いしてお話を聞いたことがありましたので、驚くと同時に誇らしく思いました。今朝はまた会えたらいいな、と思いながら、“中の平”までやって来ました。ここでハウス栽培をしていると聞いたからです。

 

ご存知、“中の平”は有志の開墾事業で出来た田圃でしたが、今はエリアの北側に一枚と南に2枚の田圃が残るのみ。殆どが大きなハウスで占められています。今日は日曜日のせいか、人影がなく、諦めかけたところで、車を見つけました。果たしてハウスの中に人が。

 

ラッキーなことに、その方が何と“ゆ”さんでした。カーネーションの生育ぶりをチェックしていたようです。このハウスの中では開きかけた花がチラホラで、ツボミの状態が多い。花の出荷は時期の判断が難しいのではないかと思われます。

 

“ゆ”さんは、受賞については、選考のタイミングが彼の栽培の最高の時期にたまたま重なったからだと謙遜していました。しかし、新しい品種の白花で勝負を挑んだところに彼の真骨頂があります。彼の表情には強い意志と自信が読み取れました。

 

中の平は4人の仲間が互いに切磋琢磨して現在の地位を築いているようです。そんな仲間でつい近年まで庚申講を組んでいたと聞いて驚きました。互いに持ち回りで、担当の家で掛け軸を中心にうちわ太鼓でお祈りをしていたそうです。行事が終れば酒盛りで、農事の色々な問題を話し合ったのでしょう。

 

ハウスの中はかなり温度が上がっており、たちまちメガネは曇ってしまい、撮影を許されても、結果は霧がかかった状態でした。夏はさすがにビニール幕を外しますが、その手間がかなりかかるものと考えておりましたが、手動の巻揚げ機でも、簡単に作業を終えることが出来るということでした。

 

ただ、そのままの状態だと、やはりシカなどの進入を許すことになり、折角の芽を食い散らされてしまうことがよくあると言います。対策用に網を張るのが手間になるようです。

 

ところで、つい最近、長野からこちらへ転入してきた農業に詳しい方の話では、花のハウス栽培による経営は採算に合わないケースが多いと言います。彼が全国を見てきた経験では、設備投資から始まってJAの指導を受けた上で殆どが毎年赤字を出しているそうです。

 

仮にこれが事実なら、法人にしろ個人経営にしろ何処に問題があるのか、稲取ではどうなのか、今度訊いてみたい問題点のひとつです。
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”中の平”開墾の碑と貯水池の土手の野焼き