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南斜面のミカン畑2015/12/04

さざ波立つ伊豆稲取港
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西風が強く吹きまくる中、散歩に出ました。風邪をひかぬようマスクを付け、頭をフードで包んで出発です。風の通り道ではよろけるくらいの強い風です。空は青、海の青には白いさざ波が立っています。

 

それでも「田の上」から山の中に入って幾分和らいだ風は、一望閣からあの“我が谷”に上がれば更に、フードもマスクも必要なくなります。南斜面のミカン畑に暖かい太陽光が惜しげもなく降り注いでいました。

 

大洞の谷を見上げると、遠目にも上部と下部に人の姿を見つけました。ミカンの収穫作業のようです。ちょっとお邪魔してみました。谷に下りて川を渡り斜面を上がってミカン畑に到着。風は殆どなく、暖かい光を浴びて幸せな時間が始まります。

 

年配のご婦人TIさんの足下には四角い黄色のコンテナが2つあり、既に一つは埋まって運搬機の上に載っていました。その他に丸い桶をミカンの木の枝にぶら下げて、そこにハサミで切り取ったミカンを一つ一つ丁寧に入れています。

 

その中からミカンを2つ両手に持ち、青島ミカンだと言って、いきなり私に差し出しました。「採ったばかりで、まだ多少酸っぱいかも知れませんが、どうぞ」この時期だと、普通なら少し酸っぱく、ミカン小屋に暫く寝かせてから出荷するのだと言います。青島ミカンの収穫は例年、12月から2月頃までで、近年ではそれが若干早まっている傾向があるようです。

 

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こんな“幸せな作業場”でも、歓迎されざる侵入者がいます。先ずは、川べりのほら穴を棲み処としたハクビシン。夜中に穴から出てきて、ミカンを荒しまくりました。手際がよく、まるで人間のように手で皮を剥いて喰べるのだそうです。

 

それから何と言ってもイノシシ。まだ青いのでも喰いちぎった痕があり、さすがに酸っぱいからか、キバの痕だけを残していたと言います。イノシシで一番困るのは、斜面に造成した石積みを崩してしまうこと。大勢で猪突猛進してゆけば、ひとたまりもないだろうことは想像出来ます。

 

そういえば、だいぶ前に、いつもの散歩コースからの遠目に、この畑の中に2匹のイノシシの仔を見たことがあります。まるで、石積みから更に上の石積みにかけて運動会をしているようでした。その上、親と思える大きなシシがその後を猛烈な勢いで追っていました。

 

それから、古畳をミカンの木の下に敷いておいたら、今ではズタズタにされてしまったと言います。畳の材料のイラクサはイノシシの好物らしい。先日はシカの親子を見つけたと聞いて驚きました。バリカン山のほうから来たのかも知れません。多分、水場を求めて谷へ下りてきたのでしょう。

 

こうした侵入者は困りものですが、日当たりが良く、風の影響も少ないこの畑に暫くお邪魔して、やはりミカン畑として優れた場所だと思えたのでした。